和歌山
2026年8月24日

夏休みに和歌山県を旅しました。特急列車を三重県との県境にある新宮で降り、各駅停車で南紀の海岸沿いを時計回りにして、那智勝浦、太地、古座、串本、周参見、御坊、湯浅、雑賀崎に立ち寄りながら、県庁所在地である和歌山市まで行きました。そこから内陸に向けて紀ノ川沿いに遡行して奈良県の五條までは鈍行電車、そこから十津川まではバスを使いました。温泉に浸かった後は熊野古道の小辺路を熊野本宮まで歩き、最後は新宮に戻りました。和歌山県をぐるっとほぼ1周してきたことになります。
中上健次の足跡を辿ることができ、また、彼の作品の舞台となった風土を少しだけ知ることができました。南紀の海岸沿いであっても内陸の紀の川沿いであっても、空と海と川の青、そして山の緑がとにかく濃いところで、奈良で感じた落ち着きや穏やかさとはまた別の、心を揺すぶる強さを感じる土地でした。
私なりに関西をイタリア南部に例えると、京都府は永遠の都ローマのあるラツィオ州、大阪府は同じくカオスの極みであるナポリを中心としたカンパーニア州、となるのですが、和歌山県、特に南紀地方はイタリア半島の「つま先」にあたるカラーブリア州だと思いました。濃い青の海、すぐそこまで山が迫る海岸線に点在する村、大都市から距離的に遠いだけでなく生活するのには比較的厳しい自然条件、目の力があり口調や気質はどちらかというと強いけれど内実はあたたかく頼りになる人。そういえば18年前も8月の暑い盛りにリュックを背負って鈍行列車を乗り継ぎ、カラーブリア州を1周したのでした。そのことを思い出したのは和歌山から帰ってきた後でしたから、知らず知らずにそういった旅を私はしてしまうのでしょう。
