アントニオーニ、アントーニオ
2026年9月7日

渋谷でイタリアの映画監督ミケランジェロ・アントニオーニの回顧上映が行われていて、初期の作品である「女ともだち Le Amiche」「情事 L’Avventura」「赤い砂漠 Il Deserto Rosso」を観てきました。
イタリア映画の古典としてロッセリーニ、ヴィスコンティ、フェッリーニ、ベルトルッチらの作品はそれなりに観てきたのですが、アントニオーニはこれまできちんと追いかけていませんでした。3作品ともに斬新な演出と緊張感のある演技とで、50年以上経ったいまも瑞々しさを失っていませんでした。機会をみつけて、後期の作品も観ようと思います。
帰りに軽く食べグラスを傾けて余韻に浸っていると、イタリア北東部ウーディネ産のアマーロ(苦い薬草酒)が出てきて、私にとってはじめてのイタリア人の友達、アントーニオが、ウーディネ出身だったなと思い出しました。当時私が大学生であったのに対して彼はまだ高校生でしたが、オーストリア・アルプスの村で催されていた2週間のドイツ語コースで一緒にドイツ語を学んだのでした。大学でワイン醸造について専攻し、卒業後は長らく南アフリカでワイン醸造のコンサルタントをしていましたが、いまはまたウーディネに帰っています。あのアルプスの村で彼と知り合いになり、イタリア人やイタリア文化に興味を持ち、後にイタリア語を学ぶということになっていなかったら、私の人生は違ったものになっていたでしょう。アントニオーニの映画を観ることもなかったかもしれません。ごくたまに連絡を取り合うくらいですが、今も大切な友人の一人です。
