The Happy Prince
2026年6月8日

オスカー・ワイルドの「幸福な王子(The Happy Prince)」をはじめて英語で読んでみて、その美しい言葉の流れに触れました。Swallow, Swallow, little Swallow…
この童話を子どもに読み聞かせることを、私たち大人はためらうものではないでしょうか。一つめの理由としては、本当に他人や社会の「役に立つ」とはどういうことなのかを考えさせるより先に、他人の「役に立つ」ことをしなさい、社会の「役に立つ」大人になりなさい、と子どもに教えてしまっているからです。二つめには、本当に他人や社会の「役に立つ」ことをしようとしたときに訪れる結末が、子どもたちがこれから生きていく社会の現実であるとはいえ、あまりにも悲しいものだからです。本当に他人や社会の「役に立つ」かどうかはともかく、他人や社会にとりあえず受け入れられ、あまり悲しい思いをせずに子どもが育っていくことを願うのも、自然だろうと私は考えます。
そうではあっても、私たちはこの童話を子どもたちに読み聞かせます。その心の奥に、何か大切なものが引っかかって残ることを願いながら。
