行くか帰るか

イタリア小児神経精神学会、オストゥーニ(Ostuni)

イタリアの留学を終えるとき友人達に「3月末にイタリアを離れるんだ」と打ち明けると決まって「Quando torni?(いつ帰って来るの?)」と訊かれました。日本からイタリアへという方向が、彼らにとって「(帰って)来る」方向だからという意味ではあるのですが、「あなたの帰属先はこっち(イタリア)で、あなたは私たちの仲間で、当然帰って来るんだよね」と言われているようで、泣きたくなるような気持ちがしたのを覚えています。

日本で留学の報告をしていたときに「今度イタリアに行ったら」の代わりに「今度イタリアに帰ったら」と口に出てしまい、それに気付いた医局長や教授が笑っておられました(そんなに頻繁に日本を留守にされては困る訳なのです)。

それから15年が経ち、今は「イタリアに行く」と「イタリアに帰る」が半々くらいの気持ちです。身も心もここ(日本)にありますが、第二の故郷ともいえる場所に「帰る」感覚もやはりあるのです。

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