献立を考える

カンピ・サレンティーナ(Campi Salentina), プーリア州 「ローカル線の夕暮れ」

晩御飯の献立を考えるとき、自分のなかで順序があります。

まず、パスタの具にできそうな旬の魚介が無いか、鮮魚の品揃えの良いスーパーマーケットを偵察します。イカ(コウイカ、ヤリイカなど)、白身魚(カレイ、ヒラメなど)、エビ・カニ(シバエビ、ワタリガニなど)をまずザッと見て、目に留まるものが無ければタラ、サケ、イワシなどをチェックします。そして「これだ」と思うものがあったときは野菜(できれば旬の野菜)との組み合わせをあれこれ考え、納得いくイメージが湧いてくるまで魚売り場をうろうろします。

組み合わせが決まったら、魚介を細かく刻んでソースにするか形を残すか、トマトソースを使うか使わないか、どのパスタと組み合わせるか、を考えます。「イカとグリーンピースのスパゲッティ」「カレイのラグーのコンキリエ」「シバエビとズッキーニのペンネ」「タラとブロッコリのオレキエッテ」「イワシとホウレンソウのファルファッレ」などが代表的な献立です。

魚介に「これだ」というものが無いときには肉を入れる方向で考えます。他にアイデアが湧かないときはボロネーゼをとにかく美味しく作ることに集中しますが、前回ボロネーゼを作ってからまだ日が浅いときなどは、挽肉をラグーではなく丸めてミートボールにしたり、挽肉の代わりにカレー用肉をごろごろ煮込んだソースにしたりして変化をつけます。骨付きの鶏肉を煮込んで身をほぐすこともあれば、生ソーセージ(サルシッチャ)を使うこともあります。旬の野菜との組み合わせは魚介よりも難しいですが、キノコやタマネギを沢山入れるようにします。

このように可能性を一通り順序だてて検討してから決めるほうがしっくりくる私のような人もいれば、そのときの感覚を大切にしたほうが動きやすい人もいます。アイデアが豊富で、魅力的なアイデアが浮かんどきに逃さない感覚に優れている人です。料理に限らず行動の原理が異なるどちらのタイプの人もいることで、あるいは相互に影響しあうことで、社会はより良く維持されているのではないかと思います。

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