風邪かどうか

オートラント(Otoranto), プーリア州

「風邪であるかどうかは医師にしかわらかない」「頚が据わったかどうかは医師が判断する」と言う医師がいるらしいです。「医療で言うところの風邪」あるいは「医療で言うところの頚の据わり」については確かに医療の場において判断することなのかもしれません。

しかし、普通に世の中で「風邪をひいた」とか「頚が据わった」とか使われることに対して「不正確だ」とか「間違っている」とか言うべきではないと思います。熱や咳や鼻水があるけれど比較的元気で、ゆっくり療養することで回復していきそうな様子を「風邪をひいた」と考えたり、抱っこしているときに頚がぐらぐらしなくなってきたのを「頚が据わった」と判断したりするのを、あえて医療の場で訂正する必要があるのか疑問です。

たとえば熱や咳や鼻水のある子どもを診察すると急性中耳炎がみつかることはしばしばありますが、その多くは軽症で、抗生物質を使わなくても治癒しますから、家族が抱いていた「ゆっくり療養することで回復していきそうな状態としての風邪」という判断は正しいです。鼻に綿棒を入れて原因ウイルスを特定する必要もありません。別のたとえとして、3-4ヶ月健診で、診察する医師が赤ちゃんの手を持って引き起こして頚が後方に垂れなければ医学的には「頚が据わった」状態ですが、実際に生活しているなかで抱っこしているとまだ少し頚がぐらぐらするようなら、まだ「頚が据わっていない」状態として抱っこする際には親の手を添えてあげたほうがいいです。

十分な判断ができるようサポートを求める人へのサポートは必要ですが、医療が出しゃばり過ぎると碌なことはありませんし、自分や子どもの健康状態を一般の人が自ら判断したり口に出したりするのを萎縮させるような言動をできるだけしないように気をつけたいと思います。

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