おやまぁ!

イタリア小児神経精神学会, オストゥーニ(Ostuni), プーリア州

有名な「Mamma mia!」は直訳すると「おっ母ちゃん!」です。イタリアで生活をしてみるまでは「そんなことを人前で言うのかな?」と思っていましたが、実際、すごく言っていました…。状況によって微妙なニュアンスを帯びますが、だいたいは「おやまぁ!」という言葉の感じに近いように思います。

似たような意味の言葉がたくさんあります。「Madonna!(マドンナ!)(直訳:聖母様!)」もありますが、お勧めは「Cavolo!(カーヴォロ!)(直訳:きゃべつ!)」です。「何てこった!」とか「びっくり!」という感じで使われます。神仏に縁が無い人が「神様仏様!」と言うのがおかしいように、カトリックでない人が「聖母様!」と言うのはやっぱりおかしいのです。

その他にも特に若者の日常会話には「Merda!(直訳:う〇ち!):くそっ!」「Stronzo!(直訳:お〇り!):くそ野郎!」「Cazzo!あるいはMinchia!(直訳:ち〇ぽ!):畜生!」「Coglione!(直訳:き〇玉!):アホ!」など直訳を聞くとぎょっとするような卑俗な言葉が頻繁に登場しますが、侮蔑する意味合いは強くありません。東京の人が「バカ」と言うとかなり深刻な事態を招くのに対して、大阪の人が「アホ」をもっと気軽に使うのと似ているかもしれません。若者が使う卑俗な言葉でも「Vaffanculo!」や「Figlio di puttana!」はかなり攻撃的な言葉なので決して使わないことをお勧めします。2006年サッカーワールドカップの決勝でフランスのジダン(Zidane)がイタリアのマテラッツィ(Materazzi)に頭突きをくらわせて退場になりましたがマテラッツィが「Figlio di puttana!(売女の子!)」とつぶやいて挑発したのだろうと言われています。

こういった豊かな(?)言葉の世界の雰囲気がよくわかるのは詩人・小説家・映画監督であるパゾリーニ(Pasolini)の作品で、ローマの下町の不良少年たちの生活を題材にした「生命ある若者」(講談社文芸文庫)という小説にはこういった言葉が頻出するのですが、いつのまにか絶版になってしまいました。取っ付き易いところでは「ライフ・イズ・ビューティフル」を監督主演したロベルト・ベニーニ(Roberto Benigni)の作品で、彼は結構これらの言葉を使っているので、興味があれば聞き取ってみてください(かなり早口です)。

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