教会

聖ロレンツォ大聖堂(S.Lorenzo), ジェノヴァ

訳あって、久し振りにキリスト教の礼拝に出席しました。その教会の運営する幼稚園を卒園し、小学生の間は毎週日曜日に子ども向けの礼拝と日曜学校に出席していましたが、中学生以降は足が遠のいていましたから、最後がいつかは正確に覚えていませんが、かなりの時間が経っていました。

信者であった母と私は10歳のときに死別しましたが、思春期にさしかかったとき、「教会から離れること」は「母の記憶や幻から離れ、自分で考え生きていく覚悟を決めること」の象徴的意味合いがあったのかもしれないと今は思います。

特に事前の連絡などせず伺ったのですが、幼稚園のときからの先生に運良くお会いすることができました。小学校までは日曜学校でも教わっていましたし、まだ覚えていて下さいました。50歳を超えていまだに「祐之くん」「祐ちゃん」と言われるのは照れ臭いものでしたが、自分の成長を折に触れ見守ってくれる「家族以外の大人」がいたことの有難さを感じながら帰ってきました。

「家族の宗教と子ども」というテーマには様々な考え方や立場がありえるでしょうが、子どもの育つ環境として「子ども・家族」と「家族の外の世界」が重層的に繋がっている(園や学校以外の関係がある)ことは重要で、宗教をなくすのであればどのようにしてその代わりの繋がりを作っていくか、真剣に考える必要があるのではないか。休日の小金井公園に立ち並ぶテント(家族と外の世界との行き来を遮断するもの)を見ていてそう感じました。

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