ペスト

ペストであえたトレネッテ(Trenette al pesto), ジェノヴァのトラットリアにて

私の留学したジェノヴァという町では、ほぼジェノヴァ料理(あるいはジェノヴァの属するリグーリア州の料理)だけが食べられています。ピッツェリア(ナポリ料理)やシチリア料理店というものは確かに少数みかけますが、ローマ料理であるカルボナーラやヴェネツィアやナポリの料理であるスパゲッティ・ボンゴレは、それを提供するレストランをほぼ見かけません。

ジェノヴァ料理といえばペストで、これは日本ではジェノヴェーゼとかジェノヴァ・ペーストと呼ばれていますが、イタリアでもジェノヴァ以外の都市では食べないだろうと思います。ジェノバ近郊のBraという地域で作るバジリコの葉が柔らかくて適しているのと、オリーブオイルもリグーリア産のものは香りも舌触りもとてもデリケートで、これらの原材料が違ってくると同じものは作れないのだろうと思います。トレネッテ(Trenette)という「きし麺」のようなパスタやトロフィエ(Trofie)というねじれたショートパスタに絡めて食べます。インゲンやジャガイモが一緒に入ることが多いです。

日本で、特に家庭では同じようにはできませんが、私はジェノバ・ペーストの瓶詰を買ってきて、そこに粉チーズ(パルミジャーノやペコリーノ)を追加し、エクストラバージン・オリーブオイルも食べる直前に加えています。バジリコの葉から作るときのコツとしては、知り合いのシェフから教わったところによると、バジリコの葉に熱を加えないようにミキサーなど用いる調理道具をあらかじめ冷やしておくこと、とのことでした。Buon appetito!

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