5歳児健診

マドリッド(Madrid), スペイン

国の方針で、5歳児健診が導入されていくようです。他の多くの子どもとは感じ方や考え方がやや異なっている子どもは、他の多くの子どもに適した一斉一律の保育・教育の環境では穏やかに過ごせないことがあり、それは4-5歳になって気付かれることが少なくありません。そういった子どもがその子どもの性質にあった対応の仕方を家族も園も身につけないまま小学校に入学し、一律一斉の教育に従うことを強いられるなかで不登校になる、その段階で初めて相談が始まる、というような状況が、5歳児健診をすることで減らせる可能性はあると思います。

一方で、他の多くの子どもと少しでも違うところを「異常」としてみつけ、「診断」をつけ、多数派に近付けるための「療育」を施し、一斉一律の教育に従わせようとする、そんな無駄な(有害な)試みを増やすだけになるのではとも思います。他の多くの子どもに適した対応がこの子どもにはどうも適さないのではないかと家族や周囲の人が気付いたときに相談できる場所と人を、教育においても医療においても福祉においても充実させることが先なのではないかと思います。そして、子どもを変えるためではなく家庭と園・学校での対応を変えるための5歳児健診であるべきで、一斉一律の保育・教育を変えるつもりはない(その背景にある、皆と同じであることを強く求める大人の社会を変えるつもりはない)のなら、健診などせずに子どもを放っておくほうが全体としてみるとむしろ良いのではないかとすら思います。

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