ぴったりくる感覚

アルプィ湖(Lago d’Alpy), ヴァッレ・ダオスタ州

新たなジグソーパズルに取り組み始めました。国産のジグソーパズルは主にE社とB社から出ていて、ラインナップが豊富なのはE社なのですが、私は圧倒的にB社のものが好きです。E社のものは「ぴったりはまった」と思っても実際には違っている(それだと後から上手くいかなくなってやり直す必要が出てくる)ことがしばしばあるのに対して、B社のものはそういったことがほぼありません。B社の「ノーマルサイズ」あるいは「スモールサイズ」で1000~2000ピースくらいのものが私にはちょうどいいようです。

自閉スペクトラム症(ASD)の人の「感覚過敏」について、「その人にぴったりきて落ち着く感覚の幅が厳密に決まっている(繊細である)ために、そうでない人が多数を占める社会のなかではしんどくなってしまうのです」と説明しています。私にも「ぴったりくる感覚」というものがあり、例えば午前中の受診患者さんが31人であるよりも32人であるほうが終わったとき「ぴったりくる」感じがして落ち着きます。32のほうが2,4,8,16など割り切れる数が多くて明るく開かれ伸び伸びとした数字のように感じるからなのかもしれません。

ぴったりくる感覚を求める性向、厳密さを追い求める傾向は、仕事においても生活においても強みとなることもある一方でしばしばその人を苦しめ、知らず知らず疲れさせるもとにもなります。受診患者さんが31人であっても「阪神タイガースの掛布の背番号だからまあいいか」と考えるようにしています。ジグソーパズルも、「ぴったりくる感覚」を満たすことで疲れを解消する効果があるのだと思います。

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