幼児期の記憶
2022年8月1日
花小金井駅北口徒歩1分、小平市でアレルギーから発達障害まで、医療法人すこやか武蔵野 花小金井駅前こどもクリニックです。厳しい暑さのなか受診される患者さんとご家族に最大限の医療と真心が届くよう、スタッフ一同精一杯努力しています。
私は幼児期に言葉の発達がゆっくりで、上手く発音できない音もあり、友達に伝わらなくて悲しい思いをした記憶が何となく残っています。しかしその時期に、心に今でも深く刻まれた出来事が2つありました。
幼稚園年長で私は親の転勤のため小金井市から仙台市に引っ越したのですが、都会と地方の違いなのでしょう、周囲の子供の体が大きく、方言にも圧倒されました。そんなあるとき、子供たちのなかで一番背が高く、力も強い一人の男の子が他の子供から私を守ってくれたことがありました。自分と性質が大きく異なるこの男の子(古川くんという名前だったように思います)が示してくれた暖かさと強さは、私が友達(人間)を信頼するようになっていく上で、大きなきっかけになったと思います。
小学校1年生になっても何かにつけ自信の無い子供だったのですが、あるとき国語の授業で、マス目のノート1ページに作文を書く課題の出たことがありました。おそらく先生の説明を聞いていなかったか、理解できていなかったのでしょう、私はノートに何ページも作文を書いてしまいました。ところが担任の西村先生は叱るどころか「こんなに長く作文を書いて、すごい」と褒めてくれました。自分はできるんだ、という気持ちを持てるようになったのはこのときからだったかもしれません。
40年以上経っても心に残る出来事や言葉があります。外来はどうしても慌ただしいですが、受診するお子さんに少しでも響く言葉を届けたいと思います。