子どもの偏食について
2022年9月12日
花小金井駅北口徒歩1分、小平市でアレルギーから発達障害まで、医療法人すこやか武蔵野 花小金井駅前こどもクリニックです。
偏食について外来で相談を受けることがしばしばあります。栄養面で大丈夫なのか、給食が始まったら大変なのではないか、など、ご家族は心配されることでしょう。ですが、よっぽど極端な場合を除いては栄養面では問題無いことが多いですし、給食についても柔軟に対応してくれる園や学校が最近は増えていると思います。
育児において「子ども本人の決定を尊重する」ことは「社会(家族)のルールを教える」ことと同様に大切です。子どもが低年齢で学ぶべきルールとしてはまず「朝は決まった時間に起きるものだ」「メディア視聴の内容や時間は決められているものだ」「自分や他人が怪我することはしてはいけない」などが優先されるべきで、「食卓に出されたものは食べなければならない」のは本人にそういった気持ちが少しずつ育っていくのを見守ってもいいのではないかと思います。ただし、本人の好みに家族全体が振り回されるのではなく、家族自身のバラエティーある食生活を守ることも心掛けてください。
偏食の相談を受けた際に話をするのが、中田英寿さんのことです。日本サッカー史上最高の選手(異論はないでしょう?)である彼は、幼少期から野菜を一切食べず、スナック菓子を主食としていることで有名です。彼が当時世界最高峰のイタリア・セリエAで活躍した時期はちょうど私が小児科医としてのキャリアを始めた時期でもあり、また、私がイタリア語を独学で学んでいた時期でもあります。子ども本人の決定が尊重されながら育つと、彼のように賢く、心身ともに強く、そしてちょっと個性的な人になってくれるかもしれません。