インフルエンザの診療方針

南イタリアの夏の昼食(本文と無関係です)

花小金井駅北口徒歩1分、小平市でアレルギーから発達障害まで、医療法人すこやか武蔵野 花小金井駅前こどもクリニックです。2020年冬、2021年冬と2年連続で日本ではインフルエンザの流行がありませんでしたが、今年はどうなるでしょうか?新型コロナウイルス感染症の動向にもよりますが、当院におけるインフルエンザの診療方針について説明します。

子どものインフルエンザの特徴は急激な体温上昇と強い全身症状(だるさがあり、ぐったりする)だと考えています。この特徴がみられ、家族や所属集団(園や学校)でインフルエンザの流行がはっきりあれは迅速検査を省略してインフルエンザと診断します。症状からインフルエンザが疑われても流行がはっきりしない場合などは迅速検査を行ないます。発熱からの時間が短いと迅速検査は陰性になることもありますが、発熱直後であっても既に高熱に達している場合は陽性になることが案外多いため、発熱からの時間にこだわらず迅速検査は行うつもりです。

迅速検査をしたか否かに関わらずインフルエンザと診断した場合、抗ウイルス薬(タミフルなど)を使用するかどうかについて家族と話し合います。インフルエンザは自然治癒しますが、日本人は欧米人と比較してインフルエンザ脳症の合併率が高いことは明らかです。インフルエンザ脳症はあっという間に発症するので抗ウイルス薬では発症を阻止できないという意見もあり、感染症関連の学会などはこの立場ですが、小児神経を専門とする小児科の臨床医として私は賛成しません。

「保育園でインフルエンザが流行している状況で1歳の子どもが急激な高熱を来した。迅速検査をするのにはタイミングが早いので解熱剤で様子をみることになったが、その12時間後に痙攣と意識障害が起こり、重症のインフルエンザ脳症となっていた」という事例を複数これまで経験してきました。一方で「夜中に高熱で受診したインフルエンザの子どもにタミフルを処方したら翌朝には解熱して元気になっていた」という事例は多いです。これらのことから合理的に推論して、発熱早期に診断して抗ウイルス薬を処方することでインフルエンザ脳症の発症を(すべてではないものの)阻止できる場合もあると私は考えています。

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