漫画について

花小金井駅北口徒歩1分、小平市でアレルギーから発達障害まで、医療法人すこやか武蔵野 花小金井駅前こどもクリニックです。

診療をしていて、何が正しいかわからないことがときどきあります。例えばこの数年、熱が出るとしばしば鼻の穴に綿棒を入れられてきた子ども達が、診察で医師の顔を見るなり泣きながら鼻を押さえている、自分がこれまで究めようとしてきた小児科診療はこんなものであったか?と。

何が正解か、正義か、わからない。そういった複雑な世界で生きていく人間の姿をもっともよく描いている分野は漫画だと思っています。手塚治虫の漫画で、どちらか一方が絶対の正義として描かれたものはほとんど無いのではないかと思います。「百億の昼と千億の夜」(萩尾望都)、「風の谷のナウシカ(漫画版)」(宮崎駿)、「あずみ」(小山ゆう)などは、何が正義かわからない状況の世界で、自分の心の赴くところをとりあえず信じて先に進むことで傷つき、それでも生き延びていく決意をする、そんな強い女性が主人公です。

でも実は私にとっての一番の心の栄養は、シンプルで真っすぐな「ガラスの仮面」です。定期的に読み直しては涙を流します。才能を信じること(信じさせてあげること)、情熱を抱き続けること、それ以上に大切なことは無いのかもしれないと思います。

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