アイ・メッセージ

アグリジェント(Agrigento), シチリア州

花小金井駅北口徒歩1分、小平市でアレルギーから発達障害まで、医療法人すこやか武蔵野 花小金井駅前こどもクリニックです。

相手にメッセージを送るときに「~するといいよ」ではなく「私(英語でアイ)はあなたが~すると嬉しい」のように伝えることをアイ・メッセージと呼びます。子どもが親から「~するといいよ」と言われたとき、指示されている、決めつけられていると感じて、ますます防衛的・反抗的になってしまうことがあり、そういったときにアイ・メッセージで伝えてみるといいかもしれません。

診療においても「~するといいですよ」と伝えるか、「私はあなたが~すると嬉しいです」と伝えるか、難しいと感じることがあります。例として「2歳未満の子どもにテレビ、スマートフォンなど電子メディアの映像を見せないようにする」というメッセージを私は必ず乳児健診で伝えるのですが、これは日米欧いずれの小児科学会もはっきりと提唱していることなので、「見せないほうがいいですよ」という言い方ができます。一方で、日本では(残念ながら)現状すべての小児科の乳児健診でそのような指導がされている訳ではなく、これまで発達診療に携わってきて感じた危機感から私が敢えてこのメッセージを伝えるという選択をしている訳なので、「あなたが子どもに電子メディアの映像を見せないようにすると私は嬉しいです」と個人的な意見としてアイ・メッセージで言うこともできます。結局は、根拠のあることを、相手を尊重しながら、情熱と責任を持って伝える、ということなのでしょう。

そして親子の間でも診療においても「どのように伝えるか」と同じくらい「相手に信頼してもらったうえで伝えるか」が大切だと思います。普段から子どもの意志や希望にできる限り耳を傾けて頂けると、私は嬉しいです。

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