グレー・ゾーン

児童精神科医Enzoと
サレント(Salento), プーリア州

花小金井駅北口徒歩1分、小平市でアレルギーから発達障害まで、医療法人すこやか武蔵野 花小金井駅前こどもクリニックです。

子どもの発達について「グレー・ゾーン」という言葉がしばしば使われます。多くの子どもの発達(白)とやや異なる発達をしているけれど、はっきり発達障害(黒)とまでは言えない子どもを形容する際に用いられるようですが、私は診療の中でこの言葉を使わないようにしています。

「グレー」を作ることで「白か黒か」という乱暴な分類を避けているように見えますが、白(=望ましいこと)から黒(=望ましくないこと)に到るたった1つのベクトルのどこに位置するかだけでは、その子どもを理解することはできないと思います。赤から黄に到るベクトル、青から緑に到るベクトルなどもありえます。別の言い方をすると「その子どもはどのような点において多くの子どもと違うのか」ということが省略されすぎていて、その子どもを理解して対応するということに結びつかない気がします。

黒でないのだから特別な理解やサポートはする必要がない、と捉えられてしまうことも良くないところだと思います。高名な児童精神科の先生が「グレーは薄い黒である」と仰いましたが、多くの子どもとはやや異なる気質があり、やや異なる対応や環境を必要としている子どもである、という理解が大切ではないかと思います。

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