「感染対策」
2023年6月12日
RSウイルス感染症、ヘルパンギーナなどいろいろな感染症でクリニックを受診するお子さんが増えています。全国的にも流行があるようです。私はクリニックで診療を始めてからまだ1年で、それまでの25年間は病院勤務だったので、今年が特別なのかどうか比較はできないのですが、感染症が流行して猛烈に忙しくなるときがあるのは小児科では当たり前のことだと思ってきました。
病院勤務だった頃、感染症の患者さんが増えて外来が忙しくなったときは外来診療を手伝う医師を臨時で配置したりしましたし、入院病棟が満床に近くなったときは退院できる患者さんを(可能なら)早くに退院にしたり近隣の病院と連携したりして乗り切りました。行動を制限したりマスクをさせたりといった「感染対策」を子どもにお願いするという発想は全くなく、自分たち小児科医が何とかするのが当然の社会的使命だと思ってきました。
子どもの自殺が増えたことや出生率が加速度的に低下したことには「感染対策」の影響があるという説があります。それに対して”エビデンスは無い”と反論する人たちがいますが、そんな彼らが”「感染対策」を緩めたから子どもの様々な感染症が流行している”とエビデンスも何もないことを言っています。一昨年も昨年も感染症の流行はありました。「感染対策」をしようがしまいが感染症の波はやってきて、やがて去っていくものだと私は思います。