子どもの勉強

マルティナ・フランカ(Martina Franca), プーリア州

小学生の頃に家で宿題をした記憶がありません。宿題が出なかったのか、出ていたけれどやらなかったのか、学校でやっていたのか、家でやったことを記憶していないのか、いずれの可能性もあるように思います。

小学生の頃に親から勉強をするように言われた記憶がありません。これは恐らく確かだと思います。中学生高校生時代含めて、勉強に限らず、親からするように言われたことを大人しくするような子どもではありませんでしたから。好きにさせておいたほうが臍を曲げず、自分に必要だと思ったことは最終的に自らするだろうとわかっていたのかもしれません。

小学生の頃に親から勉強を教わった記憶がありません。これも恐らく確かだと思います。大学入試で国立大学の前期試験に不合格で、後期試験のために小論文対策を1-2週で急遽しなければならない状況になったとき、新聞記者だった父親に教えを乞うたのが勉強を教わった初めてのこととして記憶に残っていますから。後期試験に合格することができたとき、自分の力だけでの合格でなくなってしまったという残念な気持ちもありましたが、「手助けを求めたときに、それが得られた」という幸福な思い出にもなっています。

「自発性に任せていたら、いつまでたっても勉強しない」という子どもにはどうしたらいいのか難しい問題です。その子にとって勉強するのに適した年齢はもっと後なのかもしれませんし、心のエネルギーがいま十分でなかったりするのかもしれませんし、何よりも、勉強以外の何かに向いている子どもなのかもしれません。勉強に向いている子どもにとって生きやすくなるように設計されている現代日本の学校・社会の恩恵を受けてきた一人として、勉強以外のことに向いていている様々な子どもも苦しくならないような社会ができるよう自分の領域で力を尽くす責任があると思っています。

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