ヘルパンギーナ

ボッカダッセ(Boccadasse). ジェノヴァ

ヘルパンギーナという名前のついたウイルス感染症が子どもたちの間で流行しています。今年は例年より大規模な流行のようで、マスコミで騒がれたりもしているようです。

喉の奥に口内炎ができるので飲み込むのが辛くなり「脱水症を起こすので危険」と言われることがあります。しかし私個人は(これまでそういった脱水症を起こしたお子さんが受診する救急病院で長らく勤務してきましたが)「ヘルパンギーナにかかって深刻な(=点滴や入院を必要とするくらいの)脱水症になった」というお子さんをほとんど診たことがありません。ウイルス性胃腸炎のような頻回の嘔吐や下痢を伴うことはほぼ無いので水分や塩分を失わずに済み、発熱や喉の痛みも短期間(24-48時間)であることが大きな理由だと思います。

「熱性けいれんを起こすので危険」と言われることもあります。確かに熱性けいれんを起こすことはありますが、インフルエンザや突発性発疹に罹患して熱性けいれんを起こすのと比べたら確率は圧倒的に低く、また、通常の熱性けいれんより性質の悪いこと(けいれん重積や急性脳症といったこと)が起こる可能性はかなり低いように思います。

「ワクチンや特効薬が無いので危険」まで来ると、「風邪ってそういうものですよ」と言いたくなります。アセトアミノフェン(カロナール)をうまく使いながら24-48時間の辛い時間を子どもさんに付き添って励ましてあげてください。

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