「発熱外来」
当クリニックでは「発熱外来」をやっているという認識はありません。発熱している子ども含め、具合の悪いところのある子どもが受診する「小児科外来」をやっています。「小児科外来」はずっとそういうところだったはずです。
発熱の原因を調べるための感染症の検査についてですが、その子どもの治療方針に影響しない場合は行わないことにしました。いまヘルパンギーナやRSウイルス感染症など発熱で受診するお子さんがとても多く、適切な医療を少しでも多くのお子さんたちに届けるためには、治療方針に影響しない検査を行なっている余裕はありません。また、痛みを伴う検査を受けるからには、その結果がダイレクトにそのお子さん自身にとってメリットとして跳ね返ってくる、つまり治療方針がその検査結果によって大きく変わる検査である必要があると考えるからです。
「園や学校から検査をするように言われたので」「(親御さんの)職場から検査をするように言われたので」「高齢者と同居しているので」とお願いされることがしばしばあり、親御さんもお困りだろうと考えて、これまでは検査をすることもありました。当クリニックでお断りしても、希望される人は他の医療機関に受診して検査を頼むので、子どもが痛い検査をしなくてはならなくなるのは結局同じだ(だから当クリニックで検査をしよう)とも思っていました。しかし、そろそろいい加減「もうこんな理不尽なこと(子どもが熱を出すと鼻に綿棒を突っ込まれること)は止めよう」と声を上げるところが出てこなければいけないのではと考えるようになりました。親御さんには申し訳ありませんが、園や学校や職場にこの理不尽さを訴えて戦う、自宅で検査する(子どもに、親御さん自身に)、他の医療機関や検査機関を探す、のいずれかをお選びください。ご希望が叶わず不愉快な思いをなさる方もいらっしゃるかもしれませんが、この理不尽さに気が付き、戦ってくれる人が増えることを願っています。
最後に繰り返しになりますが、特定の感染症であるかどうかだけを知る目的の「発熱外来」は当クリニックでは行なっていません。行なっているのは、発熱している子ども含め具合の悪いところのある子どもの状態を見極める「小児科外来」となりますので、ご承知おきください。