医療 8 1月 2024 母子手帳 マテーラ(Matera), バジリカータ州 ここに51年前に発行された母子手帳があります。紙は黄ばみ、大小の染みがそこかしこに付いています。 第2子だったこともあり分娩の経過が早く、15時に陣痛が来て18時に出生したようです。生後6か月で体重8㎏と平均だったのが生後12か月では8.4kgと増えが少な… 続きを読む
医療 25 12月 2023 市販薬 聖ヴィート岬(San Vito lo Capo), シチリア州 「第二の性」という3巻合計1,500ページくらいある本を、約半年かけて読み終えました。第二次世界大戦後にフランスのシモーヌ・ド・ボーヴォワールによって書かれたフェミニズムの古典と言われる本で、今年に入って河出書房新社から新訳が出ていまし… 続きを読む
医療 27 11月 2023 家庭内隔離 カンピ・サレンティーナ(Campi Salentina), プーリア州 「ローカル線 駅の昼下がり」 この3年半の間に「家庭内隔離」という言葉が使われるようになりました。以前に「努力義務」という言葉の矛盾について書いたことがありますが、「家庭」という本来であれば庇護され安心できる場所の中に「隔離」… 続きを読む
医療 20 11月 2023 押すか引くか 夜の大運河(Canal Grande), ヴェネツィア インフルエンザの検査を受けるかどうか小学生本人に選んでもらうことの話の続きです。 良くある状況として、症状が典型的なインフルエンザで、周囲に明らかな流行があり、高熱の原因が診察で他には見当たらないとき、「検査を省略してインフルエンザと診断し治療… 続きを読む
医療 6 11月 2023 まだこのことに アッシジ(Assisi)の街に向かってのデモ行進(様々なマイノリティの権利のための) 私が子どもの頃はもちろん、25年くらい前までは、インフルエンザは迅速検査も治療薬も無く、それが(本物の)インフルエンザであるかどうか気にすることもなく、ただ家で寝ていました(それで治っていました)。コロナ後にどうな… 続きを読む
医療 28 8月 2023 それもまたよし ゼッカ広路(Largo Zecca), ジェノヴァ パターナリズムとは、知識や経験のある人がそれらのない人の「幸福」を心底願って「自分の考える最善」を(時には無意識に)押し付ける態度のことです。押し付けられた側も「経験や知識のある人の考える最善」を受け入れ「幸福」であると感じていると、一見して何も問… 続きを読む
医療 14 8月 2023 自尊心が下がるから ナヴォーナ広場(Piazza Navona), ローマ 子どもの夜尿症や低身長症について「これらがあると子どもの自尊心が下がってしまうので積極的に治療すべきである」という考え方があります。国内外問わず小児科医の間ではそれが主流かもしれないのですが、私はこの考え方を全面的に肯定していいものかためらいま… 続きを読む
医療 17 7月 2023 強制と合意 サルデーニャ(Sardegna) 発達外来で大切なことの1つは「本人の動機が不十分な(=嫌がる)活動を強制せず、合意を形成する習慣を作ること」の重要性を家族に理解してもらうことだと思います。しかしそうは言っても「如何に合意を形成するか」はあらゆる場面で難しい課題です。 診察で胸の音を聴診をするとき「… 続きを読む
クリニック 4 7月 2023 「発熱外来」 ヴェネツィア(Venezia), ヴェネト州 当クリニックでは「発熱外来」をやっているという認識はありません。発熱している子ども含め、具合の悪いところのある子どもが受診する「小児科外来」をやっています。「小児科外来」はずっとそういうところだったはずです。 発熱の原因を調べるための感染症の検査について… 続きを読む
医療 3 7月 2023 ヘルパンギーナ ボッカダッセ(Boccadasse). ジェノヴァ ヘルパンギーナという名前のついたウイルス感染症が子どもたちの間で流行しています。今年は例年より大規模な流行のようで、マスコミで騒がれたりもしているようです。 喉の奥に口内炎ができるので飲み込むのが辛くなり「脱水症を起こすので危険」と言われることがあ… 続きを読む