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家庭内隔離 医療

家庭内隔離

カンピ・サレンティーナ(Campi Salentina), プーリア州  「ローカル線 駅の昼下がり」 この3年半の間に「家庭内隔離」という言葉が使われるようになりました。以前に「努力義務」という言葉の矛盾について書いたことがありますが、「家庭」という本来であれば庇護され安心できる場所の中に「隔離」…
押すか引くか 医療

押すか引くか

夜の大運河(Canal Grande), ヴェネツィア インフルエンザの検査を受けるかどうか小学生本人に選んでもらうことの話の続きです。 良くある状況として、症状が典型的なインフルエンザで、周囲に明らかな流行があり、高熱の原因が診察で他には見当たらないとき、「検査を省略してインフルエンザと診断し治療…
まだこのことに 医療

まだこのことに

アッシジ(Assisi)の街に向かってのデモ行進(様々なマイノリティの権利のための) 私が子どもの頃はもちろん、25年くらい前までは、インフルエンザは迅速検査も治療薬も無く、それが(本物の)インフルエンザであるかどうか気にすることもなく、ただ家で寝ていました(それで治っていました)。コロナ後にどうな…
それもまたよし 医療

それもまたよし

ゼッカ広路(Largo Zecca), ジェノヴァ パターナリズムとは、知識や経験のある人がそれらのない人の「幸福」を心底願って「自分の考える最善」を(時には無意識に)押し付ける態度のことです。押し付けられた側も「経験や知識のある人の考える最善」を受け入れ「幸福」であると感じていると、一見して何も問…
自尊心が下がるから 医療

自尊心が下がるから

ナヴォーナ広場(Piazza Navona), ローマ 子どもの夜尿症や低身長症について「これらがあると子どもの自尊心が下がってしまうので積極的に治療すべきである」という考え方があります。国内外問わず小児科医の間ではそれが主流かもしれないのですが、私はこの考え方を全面的に肯定していいものかためらいま…
強制と合意 医療

強制と合意

サルデーニャ(Sardegna) 発達外来で大切なことの1つは「本人の動機が不十分な(=嫌がる)活動を強制せず、合意を形成する習慣を作ること」の重要性を家族に理解してもらうことだと思います。しかしそうは言っても「如何に合意を形成するか」はあらゆる場面で難しい課題です。 診察で胸の音を聴診をするとき「…
「発熱外来」 クリニック

「発熱外来」

ヴェネツィア(Venezia), ヴェネト州 当クリニックでは「発熱外来」をやっているという認識はありません。発熱している子ども含め、具合の悪いところのある子どもが受診する「小児科外来」をやっています。「小児科外来」はずっとそういうところだったはずです。 発熱の原因を調べるための感染症の検査について…
ヘルパンギーナ 医療

ヘルパンギーナ

ボッカダッセ(Boccadasse). ジェノヴァ ヘルパンギーナという名前のついたウイルス感染症が子どもたちの間で流行しています。今年は例年より大規模な流行のようで、マスコミで騒がれたりもしているようです。 喉の奥に口内炎ができるので飲み込むのが辛くなり「脱水症を起こすので危険」と言われることがあ…
小児の副鼻腔炎に関する誤解 医療

小児の副鼻腔炎に関する誤解

ターラント(Taranto), プーリア州 病院に勤務して子どもの神経疾患を中心に診療していた頃、CTやMRIなどで撮られた頭の断層写真を判読する機会が多くありました。脳だけでなく鼻の奥(副鼻腔)や耳の奥(中耳腔)も写っているのですが、特に乳幼児ではかなり高い確率で副鼻腔や中耳腔に(本来あるべき空気…
小児の中耳炎に関する誤解 医療

小児の中耳炎に関する誤解

オトラント(Otranto), プーリア州 小児科外来で抗生物質を処方する頻度が最も高い病気は急性中耳炎と言われています。発熱・鼻水・咳などがあり耳の診察が必要になる子どもは小児科外来に1日20-30人はいて、1人につき左右(2つ)の耳を診察しますので、1週間に100人(=200耳)、1年間に5,0…