医療 12 2月 2024 体勢を低くする パドヴァ(Padova), ヴェネト州 独りで椅子に座った幼児や小学校低学年の子どもを診察するとき、私は自分の座った椅子から降りて床に膝をつき、こちらの体勢を低くして診察します。そうすると幾つか良いことがあります。 子どもの座る椅子の高さを低くすることができます。子どもが気になるものに手を伸ばそうと… 続きを読む
医療 5 2月 2024 仮想の話 トロペア(Tropea), カラブリア州 日本には約1,000万人の子ども(0-9歳)がいますが、一定期間にそのうちの250万人が感染・発症してしまう伝染性の高い感染症があったとします。250万人のうちのほとんどが軽症(1-2日の発熱)ですが、ごく稀に重症になることがあり、20人は亡くなってしまう… 続きを読む
その他 29 1月 2024 子どもの楽園 Gaslini小児病院の病棟からの眺め(左の白い建物は病院内にある教会) 明治の開国の頃に日本を訪れた欧米人たちは日本を観察して多くの記述を残しました。それらの記述を通して当時の日本社会について考察した「逝きし世の面影」(渡辺京二著、平凡社ライブラリー、1998)という本があるのですが、そのなかに「… 続きを読む
医療 22 1月 2024 小児神経科か児童精神科か カステッラーナ洞窟(Le Grotte di Castellana), プーリア州 子どもの神経発達症(発達障害)の診療は日本では小児神経科(小児科の一部)あるいは児童精神科(精神科の一部)で主に行なわれています。どちらの科に受診したらいいのか、私の個人的な意見です。 小児神経科に受診したほうがいい… 続きを読む
その他 15 1月 2024 イタリア文化私観 カモッリ(Camogli), リグーリア州 坂口安吾はエッセー「日本文化私観」において、日本文化の本質は(しばしば外国人に褒めそやされるような)伝統を体現した作品にあるのではなく、(伝統とは無縁で俗悪に見えるとしても)その時代を生きる日本人そのものやその生活、その中で生み出される実質的な作品にある、… 続きを読む
医療 8 1月 2024 母子手帳 マテーラ(Matera), バジリカータ州 ここに51年前に発行された母子手帳があります。紙は黄ばみ、大小の染みがそこかしこに付いています。 第2子だったこともあり分娩の経過が早く、15時に陣痛が来て18時に出生したようです。生後6か月で体重8㎏と平均だったのが生後12か月では8.4kgと増えが少な… 続きを読む
その他 1 1月 2024 イタリアの年越し 年越しパーティーでのTrenino イタリアでの2回の年越しのうち、1回目はアブルッツォ州のペスカーラ(Pescara)でパーティーに参加しました。友人の1人がこの州の出身で、彼の地元の友人たちに私含めたジェノヴァの友人たちが混じって、大人数のパーティーでした。イタリア南部の山がちで素朴な地域ですが… 続きを読む
医療 25 12月 2023 市販薬 聖ヴィート岬(San Vito lo Capo), シチリア州 「第二の性」という3巻合計1,500ページくらいある本を、約半年かけて読み終えました。第二次世界大戦後にフランスのシモーヌ・ド・ボーヴォワールによって書かれたフェミニズムの古典と言われる本で、今年に入って河出書房新社から新訳が出ていまし… 続きを読む
その他 18 12月 2023 ロベルト(Roberto) デ・フェラーリ広場(Piazza De Ferrari), ジェノヴァ 私の留学した小児病院の小児神経精神科には研修医含めて医師が20人くらいいましたが、研修医のEnzoと准教授のRobertoを除いてみな女性でした。男性同士ということもあったのか、面倒見の良さをからか、Robertoが指導医を引き… 続きを読む
その他 11 12月 2023 頭越しに話さない コゼンツァ(Cosenza), カラブリア州 自分の向けた視線が見つめ返されることなく、自分の声や動作に反応が返ってくることもなく、自分の前で親が大人どうしだけで喋っているような状況(親がスマホを見ている状況もそれに近いです)が常にあったら、0歳~1歳の子どもの対人意識は高まらないのではないかと思い… 続きを読む